園長のことば~園報より~

園長 根内純

日本バプテスト同盟 盛岡仙北町キリスト教会主任牧師

盛岡大学短期大学部 非常勤講師

  • 「伸び伸び表現活動」 (園報71号 2019年9月30日)
  • †絵画と子どもの成長
     芸術の秋です。仙北町幼稚園では、毎年秋に作品展を行っています。廃材等を使ったユニークな製作や、立派な共同製作もあります。どれもが子ども達の感性と表現意欲にあふれていて、見ていて楽しくなります。その中でも私が一番好きなのは、子ども達の行事ごとの絵画制作(お絵描き)です。子ども達の成長がよく分かり、面白いのです。
     春から秋にかけての半年間で、各学年「親子遠足」「運動会」「りんご園遠足」などの絵を描いていますが、その短い期間の中だけでも、子ども達の絵は大きく成長しています。個別差もだいぶありますが、年少さんの一学期はまだなぐり描きで、見ただけでは何を描いた絵なのかが分かりません。教師が聞き取ったタイトルを読むと、「ぼくとママ」「大きなバスに乗っているところ」「みんなでお弁当を食べているところ」など、なんとなくそのようにも見えてきます。
    成長が進むにつれてだんだんと丸も描けるようになり、丸に小さな丸や線が付いて顔になったり、顔に直接手足の線が描かれて人になったりしてきます。絵に込めた思いも伝わるようになってきます。
    年中さんは、頭の下に胴体がついて、より人らしくなってきます。色も実際の色に近づきます。自分の体験したこと、感動したこと、好きな物などを絵の中に並べて描きます。年長さんは、地面と空の線を引き、その中に体験したことを平面的に描きます。お決まりの太陽や雲を描き、服装や髪型にはこだわりも見えてきます。

    †関わり方の大切さ
    子どもの作品を製作順に見ると、お絵描きにも発達段階があることが分かります。幼児期にはまだ、絵の上手や下手はありません。子どもの絵を見て間違いに見える所を指摘したり、「こう描きなさい」と形を教えたりすると、絵を描くことに消極的になり、表現活動の発達に影響が出るかもしれません。
    幼児期のお絵描きは、あらゆる表現活動の基礎と言われています。自由に伸び伸びとお絵描きを楽しむことが、美術や音楽や国語などの、将来の豊かな表現活動に繋がるのです。
    ご家庭でも、お子さんが絵を描いている時に話を聞き、共感や興味をもって言葉がけをして、お子さんがもっと絵を描きたくなるように促していただきたいと思います。子どもの感性が育つのは今なのです。

    †個性発揮と少人数
     近年、クラスの人数が少なくなってから、子ども達の絵が変わりました。子どもの数が多かった頃は、テーブル毎に真似をし合ったかのように同じような絵を描くことが多くありましたが、現在では一人一人が思い思いに絵を描いています。
    少人数クラスでは、子ども達一人一人の個性が十分に発揮されるようです。少人数クラスには、子ども達一人一人に教師の目が行き届くこと、一人当たりの活動スペースが広くなり、より自由な活動ができること、教師やお友だちとのコミュニケーションが密になり、信頼関係が強くなること等の多くのメリットがあります。それらが、子ども達が個性を発揮する要因にもなるのでしょう。
    仙北町幼稚園は定員160人で認可されていますが、利用定員を45人(各クラス15人)に設定しています。これからも、子ども達が伸び伸びと個性を発揮しながら製作活動等が出来るように、少人数を生かした保育をしていきたいと思います。